葛尾中学校(旧 要田中学校)
地形にはめ込む
地形にはめ込む

隣接した2町の学校組合による全校4学級の小規模中学校である。敷地は小高い山の上にあり、東側には雑木林、前面には大きく眺望が開けている。ランドスケープデザインはこの変化ある地形と建築とを調停する媒体として位置づけれている。中庭は日常の憩い、語らいの場として、また、地域に開放された野外ステージとして活用されこの学校の「要」となっている。校舎前の円形の階段も斜面に沿ってデザインされ、グラウンドの観覧席としても利用される。高低差を利用してつくられたダッグアウトは、一段低くなったグラウンドとをつなぐ多目的階段状テラスとしても利用されている。水平線の重なりをテーマとし、地形を形に置き換えたランドスケープデザインは、地形を活かしてデザインされた建築と呼応して「場」にぴったりとはめ込まれた風景を創り出している。

住所:福島県田村群

規模: 30,855m2
竣工:1994.03
事業主:三春町船引町学校組合
協働/建築:近藤道男建築設計室