東北大学青葉山東キャンパスセンタースクエア
尾根の記憶
尾根の記憶

丘陵地にひろがるキャンパスにおいて、この建築は東西に延びる尾根筋に沿って配置されており、周辺のランドスケープは、この建物を新しい尾根の稜線に見立てることによって構築されている。いうまでもなく、丘陵地の自然地形の中では、稜線を挟んで南側と北側、尾根筋と斜面で環境条件が大きく異なる。その差異をふまえつつ、キャンパスマスタープランに示された動線計画や機能のゾーニングを空間化する中で、「尾根の記憶」を継承することをめざした。具体的には、尾根筋の特徴的な植生であるアカマツの既存林を極力保全しつつ、その存在を際立たせるように緑地をしつらえている。また、稜線に近い斜面のイメージを創出するために、ランドフォームの整形には細心の注意をはらい、その中に滑らかな線形と緩やかな勾配の園路を組み込むことによって全体の景観を整えた。

住所:宮城県仙台市
規模:23,300m2
竣工:2011.03
事業主:東北大学工学研究科
協働/建築:山本・堀アーキテクツ・
      藤江和子アトリエ・近田 玲子
受賞:グッドデザイン賞(2012)