コンフォール松原B2,B3街区
「みどり」によって新旧の街、生活、コミュニティを結びつける
「みどり」によって新旧の街、生活、コミュニティを結びつける

「Green Bind!」みどりが束ねるまちと生活 

住棟の配置を決定する際に、草加松原地区を東西に貫く既存の緑道を保全することを優先条件にしました。地区の東西に伸びる基幹空間軸の「緑のプロムナード」や既存の緑道、また河川など環境基盤が住棟を挟み込む、「バインド」するサイトプランになっています。団地建設後50年以上の年月共に環境資産となった緑道を継承し、より発展させていく土地利用計画としました。

東西に伸びる緑道や基幹空間を日常動線として機能するように、南北方向の街区を横断する軸を「風の道」、また住棟エントランスから緑道や基幹空間にアクセスする動線をブリッジとして、整備しました。

グリーンインフラの考え方を取り入れ、雨水を一時貯留して見せるレインガーデンを設置しました。既存緑道沿いに園路よりも50cmの深さに堀り込んだ窪地を作り雨水を集水し、雨天の数日後まで水が溜まるようにし、溝には湿った環境に適したミソハギなどの在来の宿根草を植栽しています。

既存樹については、住棟配置や工事期間中の仮設動線を調整することでその場に残置できる樹木は極力保存し、やむを得ない場合は既存樹の状態を樹勢などの健全度を毎木調査し、評価が高い樹木は移植し活用しています。

植栽の樹種構成は、関東の平地林を構成する植物種を中心に在来種を主体とし、広域的な生態回廊の一端を担うことを意図しています。

高木だけでなくレインガーデンの窪地や、緑道沿いには、ミソハギなど宿根草を中心に構成し、草本類を中心とした多様な草地環境も設えています。

またコミュニティの醸成のためのクラインガルテンは緑道沿いに設置し、さらにプレイロットやテーブルベンチも併設しているため、近隣街区も含めた地域住民の憩いの場となっています。北側に隣接する分譲マンションに住んでいる親子連れが幼稚園や保育園の帰りに敷地内のオープンスペースやプレイロットで遊び、そのとなりで団地の高齢者がクラインガルテンで農作業をしている景色が団地の日常となっています。多世代、新旧の地域住民の屋外での日常生活が必然的に交わる空間構成をしています。

住所:埼玉県草加市
規模:43,573m2
竣工:2018.05
事業主:UR都市機構
協働/建築:
市浦ハウジング&プランニング

※B3街区は基本設計のみ

受賞:第2回グリーンインフラ大賞「国土交通大臣賞」