島津製作所E1号館
コーポレートキャンパスの佇まい
コーポレートキャンパスの佇まい
京都では、少し大きな神社仏閣ならば、ほぼ例外なく方丈や書院の南側にフォーマルな主庭をつくっている。これにはいくつかの理由があるのだが、島津製作所本社においても、この通例に倣うことを是とした。これは、コーポレートキャンパスにおける本社屋の位置づけや建築配置からも、きわめて理にかなった計画である。
本社のロビーやホール南側の回廊からは、開放的な中にも穏やかなアンジュレーションとモミジの木立をともなう芝生の空間が望まれ、その領域を背後の直線的な生垣が引き締めている。さらにその背景には「島津の森」の緑がひろがり、それがどこまでも続いているかのような、豊穣な佇まいを醸し出す。
一方、本社玄関の東側に位置するエントランスコートは、長方形の空間の大部分を自然石の舗装によって仕上げ、中央にボールト状に整形した石組と小さな水景を配している。ゲストを迎えるフォーマルな場として、緊張感のある佇まいを整えることをめざした。
住所:京都府京都市
規模:21,500m2
竣工:2014.05
事業主:島津製作所
協働/建築:三菱地所設計、岩井達弥光景デザイン事務所