バンヤンツリー・東山京都
山居の3つの庭と1つの林








山居の3つの庭と1つの林
京都盆地全体をひとつの山水(山々と水によって構成される自然景観)として眺望できる敷地において、霊山山麓の山水を取り込んだ庭をつくることによって、遠景の都市スケールから近景のヒューマンスケールまで多様なスケールの山水を体感できるランドスケープデザインを実現した。 全体コンセプトである「幽玄」と合わせて、ランドスケープデザインでは「庭屋一如」と「山居の庭」をコンセプトに設定した。東山の奥深い斜面林を背景に深遠なランドスケープを展開し、幽玄を実現した。 12mの高低差がある立地を生かした空間構成として、三つの庭と一つの林を設えた。ホテルに到着すると石積みと桜や楓に包まれ、山裾に分け入る感覚をもたらす「センス・オブ・アライバルの庭」が出迎える。レセプションを抜けると、枝垂れ桜と石組みや小滝で構成された「山水の庭」がロビーラウンジの奥に広がる。そしてレストランと客室からは「水上舞台の庭」を堪能できる。さらにその奥にはボーダーレスに東山へとつながる「孟宗竹の林」を整備した。 建物と庭が調和し一体となることで、四季折々の情緒が楽しめるホテルとなった。
住所:京都府東山区
規模:5,588.0m²
竣工:2024.03
事業主:合同会社りょうぜん開発
協働/建築:隈研吾建築都市設計事務所、入江三宅設計事務所、東洋設計事務所
客室デザイン:橋本夕紀夫デザインスタジオ
共用部インテリアデザイン:DWP International
照明:内原智史デザイン事務所
写真:株式会社ナカサアンドパートナーズ
PM:山下PMC