パッシブタウン 黒部
パッシブタウン黒部モデル
パッシブタウン黒部モデル
住まいの内外を問わず、水、風、自然光、土、そしてそれらに育まれる緑など、黒部の自然環境が有するポテンシャルを最大限に活かすことができる状況をつくることが、パッシブタウン黒部モデルにおけるランドスケープデザインの基本的なコンセプトである。風をとりこむ建築の配置、保水性舗装を含む地表面の被覆、十分な深さの植栽基盤の確保、落葉樹を中心とした植栽計画、涼をもたらす水景施設等の構成によって、このコンセプトを実現している。第Ⅰ期から第Ⅲ期までの住宅街区のいずれにおいても、パッシブタウン全体のデザインコンセプトを忠実に反映することをめざしたランドスケープのデザインとなっている。周辺の環境に対して開放的な住棟配置に呼応しつつ見通しのよい視線の透過性を確保し、落葉高木を中心とした植栽による豊かな緑陰を形成した。一方、東側の街路に接する通廊を歩道と連続的に整備し、豊かな歩行者空間を形成するとともに、薄い水盤による水桟敷が街を訪れる人々に清涼感をもたらす。また、住宅街区の西側に広がるセンターコモンは、地域に開かれたパブリックスペースとして整備され、穏やかなアンジュレーションのランドフォームに芝生の広場と落葉樹の疎林が配置されるだけではなく、この中に引き込まれた農業潅漑水路を水源として、豊かな親水空間を形成している。
住所:富山県黒部市
規模:23,900m2
竣工:2017.06
事業主:YKK株式会社
受賞:第17回 屋上・壁面緑化技術コンクール 環境大臣賞(2018)、2019年度 日本造園学会賞(2020)、第61回BCS賞受賞(2020)