王子製紙東雲研究センター
■回遊式庭園
眺める庭というよりも、その空間を体験できる、回遊式の庭園とする。そのためにも、道路から玄関までの移動が単に歩道を歩く、のではなく門を入った瞬間から自然に庭園内に引き込まれるデザインが肝要となろう。
また、実際に樹木にさわり、樹の暖かさ、樹の清々しさに直接ふれることのできる空間とする。
■建築空間とのかかわり
垂直に立ち上がる建築のファサードに対して水平的な縁の面をつくり対比的な空間構成をおこなう。また、圧倒的な建築のボリウムに対しては、土のうねり、盛り上がりによって、樹木の源である大地を表現することにより対応させる。
建築の中心線と庭園の骨格ラインを合わせることによる、建築と庭園の調和を計る。
■骨太な空間構成
水に親しい東雲にふさわしい、流水紋をモチーフに地割りのデザインをおこなっている。
繊細な日本庭園の心を残しながらも、質実剛健、日本のリーディングカンパニーとして王子製紙のイメージを骨太な空間構成で表現している。
■浮かぶ「緑の雲」
また、環境の保全再生に力をそそぐ王子製紙のシンボルとしてのうつくし松を象徴的に活する。曲線の地割りへ、近代建築との呼応やナーセリーのイメージにもつながる整形な植裁をほどこし、独特の樹形を活かして、まとまった緑の面を創り出す。(タギョウショウにて表現)
住所:東京都江東区
規模:1,585m2
竣工:2003.03
事業主:王子製紙