城西国際大学は千葉県東金市が敷地を提供、誘致した1992年開学の大学である。開学当初端、64000m2。1994年の2期工事と同時に隣接地と合わせて約2倍の130000m2に拡張された。敷地は東南約8kmにある九十九里浜と、陸側約1kmの段丘に挟まれた、水田が拡がるほぼ平坦な土地である。
この平坦な田園景観の中で、大地(自然)と大学建築群とをどう関連づけるか、また、学生や職員の生活(意識)の中にどう組み込んでいくか、が建築とランドスケープの共通の課題であった。基本構想の段階からキャンパスを都市的なものとしてとらえ、キャンパスの骨格となる大きな構造を与えながらも、時間の経過によるプログラムの変化にも対応出来る柔らかな空間を組み入れ、建築だけでなく街路や広場、緑地、水面等の要素が総合的に組み立てられていった。
基本軸は、求名ゲートからキャンパス中央のサークル広場に伸びる教育軸(educational spine)(1期工事)、メインゲートからサークル広場にまっすぐ伸びる中央軸(central spine)(2期工事)、求名ゲートとメインゲートを結ぶ文化軸(cultural spine)(2期工事)の三本で構成される。この大きなトライアングルに沿って配置される建築群=アーキフォーム と 大地を堀込む調整池、盛り上げる外周バンキングや各所のマウンド(マウンド-F・マウンド-P・JIUの杜・グリーンディスク)、外周樹林、骨格となる並木、=ランドフォーム は、1期(1992年)から7期(2004年)まで互いに補完しあいながら同時に成長してきたといえる。
また、建築群が生み出すボイドの空間群(サークル広場・スクエア広場・シマトネリコ広場/グリーントレイ、G-1,G-2プラザ等)はアーキフォームとランドフォームを繋ぐ装置として、また学生や職員に身近に自然の移り変わりを伝える媒体として大きな役割を果たしている。
住所:千葉県東金市
規模:65,000m2
竣工:2005.03
事業主:城西国際大学
協働/建築:アーキリンク建築研究所
受賞:日本造園学会賞(吉村純一 2006年)