城西国際大学観光学部
海のスケール・敷地のスケール
海のスケール・敷地のスケール
敷地は、鴨川市南部の山地に市が教育文化拠点として開発を進める地区に位置し、房総独自の緑濃い照葉樹林を切り開き、山を切り、谷を埋め立てることによって生まれた。当該地は同地区の一番奥、東に太平洋を望む高台に位置している。大きく三段に造成された敷地では、最上段にA棟、最上段と中段を繋ぐB棟、中段にC棟が建設されている。その他、中段には増築予定地として芝生広場が広がっている。下段は仮設駐車場および調整池が計画されている。最上段に建築されたA棟からは、東側に広がる太平洋を見渡すことができる素晴らしいロケーションにある。
建築計画では、海との関係や、先行して建設されたラーニングセンター(大田純穂設計)との関係、中心市街地からのアプローチにおける印象的な視点場との関係が整理され、広範囲における風景とのかかわり合いにおいて建築デザインがなされている。また、与えられた構造地盤の改変を最小限に押さえながら、敷地特性を活かしたデザインにも配慮がなされている。
ランドスケープデザインにおいては、目の前に広がる海、広大な造成地の平地と法面、敷地内や周囲に存在する斜面林と建築との関係をいかに調整するか、また、建築されるラーニングセンター(プレイスメディア設計)との関係が課題となった。そこで海のスケールや敷地のスケールに呼応した芝生のマウンドと割栗石を充填したフトンカゴや広範囲にしき込んだゴロタ石によって、土木的なスケールのテクスチュアを表現した。増築予定地には播種による緑化を施し、殺風景になりがちな造成地に将来的な大学の発展を予感させようとした
住所:千葉県鴨川市
規模:106,000m2
竣工:2006.03
事業主:城西国際大学
協働/建築:大田建築設計研究所、岩井達弥光景デザイン事務所