しずおか国際園芸博覧会
花と緑の存在感
花と緑の存在感

「花・緑・水〜新たな暮らしの創造」をメインテーマとする「静岡国際園芸博覧会」(通称・浜名湖花博)は、2004年4月8日から187日間の会期をもって、静岡県浜松市内の浜名湖畔で開催された。面積約56haの会場は、「花の街並」、「水の園」、「緑の里」という3つのエリアによって構成されており、「水の園」はその中心部分を占めている。このエリアは、計画の当初よりその東側にひろがる「緑の里」に対して、都市的な環境における花・緑・水を取り入れたライフスタイルの提案を博覧会の展示に反映するというコンセプトのもとに計画と設計がすすめられた。  公募プロポーザルによって選ばれた設計チームは、主要な展示施設と便益施設や管理施設を担当する複数の建築家グループとランドスケープデザイナーによって構成され、相互の緊密なコラボレーションのうえに作業をすすめることができたものである。  多岐にわたるランドスケープのデザインの業務のうち特筆すべきものとして、まず主要な建築施設群の配置計画を含むエリア全体のサイトデザインがある。エリア中央部の運河をはさんで想定された求心的な空間構造のもとに、様々な展示・催事のための施設群を配置し、それらを機能的・形態的につなぐ動線を計画するとともに、ランドフォームの造形によるエリアの領域感の形成を試みた。次に、博覧会後の都市公園化を前提として、主要な公園施設の設計において、水や緑による骨格的な景観構造の構築とともに、それらとのインターフェイスとなる部分におけるディテールデザインの充実をめざしている。さらに博覧会時の花の緑の展示設計は、エリア内の景観構造に沿った花壇設計と、ヒューマンスケールにおける花や緑とのふれあいを意図したコンテナ設計を中心に組み立て、花と緑の存在感を多様なシーンの中に表現している。

住所:静岡県浜松市

規模:10,200m2
竣工:2004.03
事業主:静岡県
協働/建築:栗生総合計画事務所
受賞:グッドデザイン賞(2005)