新宮市文化複合施設 丹鶴ホール
重ねる歴史/重ねる風景 レイヤード・ランドスケープ
重ねる歴史/重ねる風景 レイヤード・ランドスケープ

新宮市は神話の時代から登場する世界有数の歴史の町であり、当該敷地:新宮城下町遺跡からは鎌倉・平安・江戸時代と折り重なった貴重な遺構が確認されている。

そのような状態にある敷地の大部分が駐車場になることから、遺構を文化財として確実に保存するために舗装下に覆土をすることが求められた。そこで、地下遺構やかつてそこに存在したであろう空間を想起させるための現代のレイヤーを重ね、場の歴史と記憶を表現しようと試みている。具体的には、発掘調査により確認された石積みや遺構の平面形を垂直投影した範囲の舗装を砕石に置き換えることや、構造物には掘削量が大きくなるコンクリートの使用を極力避け、遺構にダメージを与えにくいフトンカゴの土留めやエッジを採用することにより、あくまで現代のレイヤーとして設えている。

住所: 和歌山県新宮市

規模: 9,248m2

竣工:2021年7月31日

事業主: 新宮市

協働/建築:株式会社山下設計

照明:Lumimedia lab 株式会社

受賞:BCS賞、2023年日本建築学会作品選奨、日本建築士会連合会建築作品賞優秀賞 他多数